身体が硬くなる理由

身体が硬くなる理由は「年だから」と考えている方は多いのではないでしょうか。しかし、トレーナーとして様々な方を施術していると若いのに身体が硬い方もいれば、ご高齢の方で身体が柔らかい方もいらっしゃるんです。

つまり、硬い=年齢ではないということ。そこで今回は、身体がなぜ硬くなってしまうのかということについて考えていきたいと思います。

身体がなぜ硬くなるのかということを知ると、どうすれば身体を柔らかく保つことができるかを理解できます。ですから、身体が硬くてお困りの方には、きっと役に立つ記事になると思います。

まず最初に結論からお伝えします。身体が硬くなる理由は、ずばり「筋肉を動かしていないから」ということです。

年齢が高いからではなくて、筋肉を使わない時間が長いから硬くなってしまうのです。それでは、どのように硬くなってしまうのかということについて、2つに分けてお伝えしていきたいと思います。

まず一つ目は、定期的に筋肉を動かさないと、筋肉の抵抗性が増えてしまい硬くなるということです。

例えば、自転車に毎日乗っていると、スムーズにペダルを漕ぐことができると思います。ところが2ヶ月に1回、3ヶ月に1回くらいしか乗らないと、どうでしょうか。徐々にチェーンが錆びてきて、ペダルを漕ぐのが重くなってくると思います。これと同じように、筋肉も使っていないと抵抗性が増えてしまい、硬くなってしまうのです。

次に二つ目ですが、筋肉を動かさないとサルコメアの数が減少し、筋肉が縮んでしまうということです。サルコメアというのは、筋肉の最小単位です。このサルコメアという筋肉の最小単位がたくさん並ぶことによって、一つの筋繊維が構成されています。

そして、筋肉を使わないことによって、このサルコメアの数が少なくなってしまうということがわかっています。ただ硬くなってしまうのではなくて、筋肉を使わないうちに筋肉の中にあるサルコメアの数が徐々に減ってしまうのです。そうして筋肉は硬く短くなってしまうのです。

なぜ筋肉は使わないと減ってしまうのでしょうか。これは身体の代謝、エネルギー消費を少しでも抑えるためです。飢餓状態になっても生きていけるように人間の身体に備わった本能的な機能です。

運動不足になると筋肉に対して抵抗性が増してしまい、伸びづらくなる。さらに、使っていないと数まで減ってきてしまって、物理的にも短くなっていってしまうということです。

それでは、筋肉がどのように硬くなっていくのかということを実際の生活の中に当てはめて考えてみましょう。ソファの上でスマホゲームを長時間やっているということをイメージしてみてください。

スマホを見ている状態というのは、首を下に曲げています。そうすると、首の前の筋肉はずっと縮んでいる状態になります。

その結果、だんだん錆びついてきて首の前の抵抗性が増していきます。抵抗性が増してくると伸びづらくなっていきますので、無意識に前屈みになったまま生活をするようになる傾向があります。

さらにこの状態の生活が何日も続くとします。そうすると、伸びていないのであれば、使わないんだなというふうに勝手に身体が判断し、省エネを始めます。

筋肉の数、サルコメアの数を減らしていってしまうのです。それにより、さらに短くなって伸びづらくなるということがイメージできますよね。このようにして身体は使っていないと、徐々に硬く短くなっていってしまいます。

ではどうすれば縮んでしまった筋肉を元の状態に戻すことができるのか、ということについて、三つお話をしていきたいと思います。

まず一つ目ですが、ストレッチです。例えばスマホを長時間いじっている状態は、首の前側や胸の前側の筋肉が収縮する原因となります。こういった部位をストレッチしていくことで柔軟性は改善されます。

二つ目は、座っている時間を短くすることです。今の話からもイメージできるように縮まっているところが硬く短くなってしまうのです。

ということは、立っていれば、全ての筋肉が均等に使われている状態になります。つまり、あなたの身体を硬くしないようにするために、座っている時間を減らし立っている時間を増やすということが大切です。

ご自宅やオフィスにいるときも、あまり長時間椅子に座らないよう小まめに立ち上がったり、場所を変えるようにしましょう。またはスタンディングディスクを利用するなどの工夫が大切です。

三つ目は、運動をを取り入れるということです。ウォーキングや自重でのスクワットなど簡単な運動で構いません。必ず1日に1回運動をするよう心がけてください。

立っているだけではなくて、動いていた方が筋肉はよりほぐれます。1日にスクワットを10回1セットを行う、1日1回外を30分ウォーキングするなど。1日のルーティンに取り入れてみてください。

今回、身体は年齢で硬くなるのはなく、運動不足または長時間の同一姿勢により、筋肉を使わないことによって、硬くなってしまうということについてお話をしてみました。

ストレッチをしたときに硬い箇所は普段から使われずに縮んでいる可能性が高いです。硬い部位はストレッチで積極的に伸ばしましょう。

そして、硬い筋肉や身体のアンバランスを作らない為にも、普段の生活の中で同一姿勢を減らし、運動することを心がけてみてください。

執筆者:YUIHIDE FUJIWARA
1991年千葉生まれ。 順天堂大学出身。大手パーソナルジムでパーソナルトレーナーとして経験を積み、2017年に独立。年間400人以上のクライアントを担当する。詳しいプロフィールはこちら